エドガーケイシー

症状別・エドガー・ケイシー療法辞典

鬱(うつ)

【鬱とは?】

鬱は病的な悲しみと考えることができます。意気消沈、絶望、倦怠感や妥当性の無い罪の意識といった特徴があり、思考能力や集中力が低下します。鬱がひどい場合は、死(特に自殺)について繰り返し思いを巡らせることがあります。


鬱はごくありふれたものです。実際、"精神的な病気の中では普通の風邪"と称されて来ました。更に、鬱は新しい病気ではありません。昔からありふれた感情面の不調として知られています。


何百年にも亘って、鬱は"メランコリア"と呼ばれていました。このメランコリアという言葉は、体の性質が不安定になった結果として鬱になると考えていたギリシャ人が作り出したものです。メランコリアは黒い胆汁が多過ぎることが原因であると考えられていました。胆汁は肝臓や胆汁管から分泌される化学物質です。

エドガー・ケイシーの時代と同じように、メランコリアは鬱を指す言葉として今も使われています。ですから、多くのケイシーのリーディングで2つの言葉が同じ意味で使われているのは、驚くには当たりません。メランコリアは医療用語として現代精神分析の分野でまだ使われています。しかし、今ではそれは鬱の亜種とされています。ギリシャでの元の意味を意識して、メランコリアは今では明らかな生物的な特徴を伴った鬱を指しています。その特徴というのは、眠れなかったり食欲が無くなったり、毎日すること全てあるいはほとんど全てに興味が無くなったり、楽しくなくなったり、精神運動障害(体の動きや活動が多過ぎたり少な過ぎたりすること)といったことです。メランコリー型の鬱は(薬による治療のような)生物的な処置によりよい反応を示すと考えられています。興味深いことには、エドガー・ケイシーがメランコリアという言葉を使う場合は、鬱の身体的な側面について詳細に語っています。

 

【鬱の原因】

研究の結果から、鬱には恐らくいくつもの原因があると思われます。一方で、近年は鬱の生物学が大きく取り上げられています。科学者は神経系の化学的な欠陥と鬱の諸症状の間の関係を研究して来ました。具体的に言うと、神経細胞が相互に情報伝達するために使う化学的な伝達手段(神経伝達物質と呼ばれています)が研究の的とされて来ました。

脳内の特定の神経伝達物質に問題がある場合、神経細胞の間の情報伝達が妨げられるでしょう。この化学的な機能障害が感情や認識に関連した脳の領域で起こると、鬱になるのかも知れません。簡単に言うと、神経細胞の情報伝達が妨げられると、神経系自体が活動を低下させると言えるかも知れません。その結果、心と体が全体的に鬱状態になると思われます。恐らくは、医者が処方する抗鬱薬が神経細胞の使用している化学的伝達手段を治療的に変化させ、その結果脳内の情報伝達が改善されるのです。鬱の原因や処置に関するこの生物化学的な説明は、"鬱の医学的モデル"として時々取り上げられます。

 

【エドガー・ケイシーの鬱についての見方】

エドガー・ケイシーが鬱に関する神経系の病理学を図式的に記述したのは、現代医学に先立つこと何十年も前です。ケイシーが鬱に関する神経系の病理学について語った際には、神経細胞の情報伝達が途絶えていることを描写するのに、時として"神経インパルスの喪失"という表現を用いました。

リーディングでは、この"神経インパルスの喪失"という特性に対し多くの理由を挙げています。非常に多くの場合、腺の機能障害をこの問題の原因としています。エドガー・ケイシーの説明では、神経細胞が正常に機能するために不可欠な化学物質を供給するために、神経系は体の分泌腺に依存しています。分泌腺がこの不可欠な化学物質を供給できなかった場合、様々な身体的、精神的または(鬱を含む)感情面の症状が現れます。内分泌腺(一番頻繁に見られるのは副腎腺、甲状腺、松果腺)の病状が、鬱のいくつかのケースで認められました。重要なことは、現代医学の研究でもこれらの重要な内分泌腺が鬱に関係していることが認知されたことです。

エドガー・ケイシーがもう一つ、鬱の一般的な生物学的原因として挙げているのが体内毒素です。いくつかのリーディングで、神経線維に毒素が吸収されることで生じる、神経系に対する"防音"効果について述べています。明らかに、この防音効果は神経系に鬱病の影響を及ぼし、"神経インパルスの喪失"という特性が現れます。

そのようなケースに提案する処置は、必然的に体の浄化を目的とした治療に重点が置かれていました。そのようなケースの共通した処方は、通常のマッサージと水治療を共に行う、食事の改善でした。

エドガー・ケイシーの見解は、鬱の現代医学の(生物化学的な)モデルと多くの類似点もありますが、重要な違いがあります。神経系の化学的な均衡を変える為に主に薬に頼るのではなく、彼はより自然な方法をいつも提案しました。この"総体的な"治療は、体がそれ自体"薬箱"となって、生物化学的な欠陥を健康な状態に戻す助けとなるのです。"総体的"というのは、病気を診断したり処置の提案をする際に人全体(体、こころ、そして精神)を考慮するというケイシーの性向を表しています。このことから、エドガー・ケイシーは"現代総体的医学の父"として広く認められているのです。

ケイシーの見方と医学モデルのもう1つの違いは、神経系の鬱を起こしていると思われる、こころまたは精神的要素の役割についてです。例えば、神経系の病状の前兆として、不健康な態度や生活の中での精神的なよりどころが無いといった精神心理的な原因を、彼はしばしば言及しています。

リーディングには心理的に生じた(即ち、精神的要素に起因した)鬱の例を数多く含んでいます。「こころは作り手(Mind is the builder)である」というのはリーディングの中では有名な主題であり、心理プロセスと精神組織の本来備わっている関係に基づいています。自虐は鬱のケースでは頻繁に見られる特に破壊的な心理パターンです。理念に従って行動出来ない(または理念を持つことさえ出来ない)ことは、時として心理的な鬱の根本的な原因として引き合いに出されます。


【鬱に対する処置の提案】

エドガー・ケイシーの提案する処置は、各自に特有の必要性に応じて個人個人で異なりますが、以下に示す治療は鬱の処置や予防に共通するいくつかの提案を述べたものです。


 体内の浄化:

リーディングでは鬱に関係した共通の原因として毒血症を挙げているので、排泄を改善することは優先度が高い。水治療(蒸気風呂と結腸洗浄)手を使った治療(オステオパシーとカイロプラクティック)、マッサージと食事療法が排泄改善の主だった治療である。


 手を使った治療:

手を使った治療(脊髄マニピュレーションとマッサージ)は中央の神経系と末端の神経系の間の協調が改善されることを助ける。これは重要である。なぜなら、リーディングでは鬱の病態生理を一貫して"神経インパルスの喪失"と表現しているからである。


 インピーダンス装置(放射活性装置):

情動不安、疲労または不眠などの症状が顕著なケースでは、インピーダンス装置は効果を発揮するであろう。この単純な装置は電池に似ている。しかし、これは計測可能な電気エネルギーを発生するものではない。リーディングでは、循環器系と神経系を均一にするのを助ける為に、この装置は体自体の震動エネルギーを用いていることを強く主張している。

 屋外での運動:

気晴らしや排泄の改善のため、そして特殊な場合には光線療法の1つの形態として、野外(即ち陽光のもと)での適度な運動が大切であることもリーディングでは一貫して強調している。光線療法とは、病気を治療するのに光を使用するものである。光線療法は鬱の自然療法として何百年にも亘って用いられてきた。

※家庭で行う光線療法については、光線研究所付属診療所にご相談下さい。


 理想の設定:

治療計画だけでなく、長期に亘る健康管理での優先順位を決めるうえで、理想の実行は重要な治療介入である。この治療介入は、役に立っていない態度や信念に気付いたり、それを修正する上で、優れた方法の一つでもある。

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 他人に対する奉仕:

基本モデルの精神面では、緊急事態に際してより広い視野で捉えるように促している。利他的な奉仕は、人と人が関係しているという感覚を起こさせる。その感覚は、鬱の治療では、非常に癒し効果を発揮する可能性がある。ケイシーはしばしば鬱の人に更に悪い状態にある人を見つけて、その人を援助するように勧めていた。彼は、自分を助ける最良の方法は他人を助けることだと強調していた。


 読書療法:

リーディングでは鬱に悩まされている人に感動的な読み物を読んだり学んだりすることも一貫して提案している。臨床的には読書療法として知られているこの癒しの方法は、今や多くの心理療法士が鬱を含めた多種多様なこころの病気を治療するのに用いている。エドガー・ケイシーがクリスチャンであるという宗教的な位置づけと矛盾なく、感動の源泉として彼は聖書を好んでいた。鬱に悩む人には特定の一節を繰り返し勧めていた。(最も多いのが旧約聖書の30章とヨハネ福音書の14章から17章である。)

 

原文はこちら (C)Association for Research and Enlightenment

脚注:上記の情報は、自己診断や自己処置を意図したものではありません。ケイシーの健康データベースの情報を利用するに当たり、資格をもった健康管理の専門家にご相談ください。

翻訳:岡田栄

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