エドガーケイシー

症状別・エドガー・ケイシー療法辞典

統合失調症

統合失調症(精神分裂症)の概要

 

統合失調症は重く、永く続く精神疾患の1つです。その病気で世界人口の約1%の人が苦しんでいて、貧弱な健康管理の資源に毎年何千万ドルの経費が費やされています。しかし、この障害の統計的な表現からは個人の悲惨な状況は伝わって来ません。統合失調症は、患者本人やその家族、友人を含めて、何年も神経症に耐えなければならないと言う状況をもたらしているのです。心を失うと言うことは、究極的な非人間的な経験です。 

 

 

統合失調症の症状

 

統合失調症は精神病の一種です。妄想や幻覚のような特有の精神病の症状が、この病気にはつきものです。妄想は周りの現実に関して個人的に誤った信じ込みをすることです。幻覚は誤った知覚認識をすることです。こうして、この障害が重い期間には、それを患っている方は、「現実から遊離している」と言われるでしょう。少なくとも私たちが知って現実からは離れています。この修飾語は重要であり、後の章で確認します。恐らく、統合失調症の特定のケースでは、患者はこの世界の現実と離れて超越した領域と繋がっています。 

 

多かれ少なかれ、人は時に自分の外から聞こえてくると思われる声を聞くものです。声は1つかも複数かも知れません。それは時には解説調であったり、命令調であったりします。稀ですが、幻覚は他の知覚様式、例えば視覚や触覚を伴うこともあります。 

 

妄想は思考が異常な状態です。例えば、ある人は死んだ人に操られていると信じているかも知れませんし、自分の思いは外の世界へ向けた放送だと信じているかも知れません。虐待の妄想(被害妄想)も共通しています。古典的な被害妄想は、FBIなど他の強力な組織に追われているというものです。 

 

自分がイエス・キリストであるとか、誰か歴史上の有名な人物であるとかと信じ込んでいるというのも、典型的な誇大妄想です。水面を歩けたり、死者を蘇らせたりできない限り、妄想を処置するために使用される強力な抗精神病薬の1つを本当に必要としないということを精神科医に対して説得するために困難な時間を過ごすことになるでしょう。

 

統合失調症を患っている方は、感情の応答がしばしば不適切であったり、全く失われていたりします。驚くには当たりませんが、人間関係の機能がしばしば阻害されています。即ち、時には社会から引きこもったり、時折近づき過ぎたりします。

 

 

 

統合失調症の医学モデル 

 

一般的に、医学的な観点では統合失調症は脳内の神経伝達の問題として捉えられています。神経伝達物質は、神経細胞が互いに連絡ができるようにする化学的なメッセンジャーです。言い換えれば、脳が生物化学的に異常を来しているのです。具体的には、神経伝達物質のドーパミンが、28ほど確認されている神経伝達物質の中で一番可能性の高い候補です。 

 

 

現在の研究は脳の特定のエリアの病理学に焦点を当てる傾向にあります。辺縁系(脳の中心部)や前頭前皮質(脳の前方部)が病理学の対象エリアとなりがちです。 

 

しかしながら、この過度に単純化した脳の機能障害の図式には問題があります。研究では他の多くの主要な神経伝達物質や脳の多くのエリアが統合失調症に関係している事を示して来ました。更に、研究は神経システムの他の部分(更には体の中の他のシステム)が関与している事を明らかに提示して来ました。

 

 

今世紀になされた全ての研究や臨床的な進歩にも関わらず、現代医学では依然として統合失調症は原因不明の不治の脳の病気と見なされています。

 

その処置に使用されている薬は症状を鎮めるだけです。それで治すことはできません。ある患者はこれらの強力な薬に対して、ほとんどあるいは全く反応を示しません。加えて、望まない危険な副作用が薬の治療を複雑なものにしています。再発は共通しています。

 

 

エドガー・ケイシーの統合失調症に関する見解 

 

エドガー・ケイシーは統合失調症に苦しむ人に多くの精神的なリーディングを与えました。実際には彼は統合失調症という用語は決して使っていません。彼の時代では、この病気に対して認められた医学的診断は「早発性認知症」でした。認知症というのは、本質的に脳が変性することを意味しており、結果として認知障害や精神病を起こします。早発性というのは早熟のあるいは早期に病気を発症することを意味します。(通常10代後半、または20代前半)

 

 

ケイシーは統合失調症に悩まされている人の脳の悪化の状況を図式的に表現して、神経システム再生のための処置を提案しました。彼はこの障害の情緒的・精神的な面も認識していました。

 

 

ケイシーの精神的なリーディングは、数々の原因要素に言及しています。あるケースでは、遺伝的要素に着目しています。(誕生の時、またはその後の神経システムに対する損傷のような)身体的なトラウマは主要な原因要素でした。腺の機能障害はしばしば神経システムの病状に結びついています。体内の毒素は、時としてこの病気に寄与している物として記述されました。 

 

ケイシーが勧めた処置は神経システムの協調不全が関係したケースに特徴的なものでした。オステオパシーの処置は最も頻繁に提案されたものの一つです。その他の一般的な提案には以下のようなものがありました。電気治療、水治療、暗示療法、コンパニオン治療、環境療法。

 

 

以下にエドガー・ケイシーの統合失調症に関する見解が要約されています。

 

1.「統合失調症」という診断名は、さまざまな病因とその結果に関係した病気のグループを指している。

 

2.この障害には処置にあたって考慮しなければならない強い身体上の(生物学的な)要素が1つある。

 

3.統合失調症の症状は脳内の機能障害に起因しているが、病気の原因のパターンには、通常全身の機能障害が含まれている。

 

4.身体の中で、通常複数のシステムが統合失調症のプロセスに関係している。それは第一に、中枢(脳脊髄)と自律(交感)神経システムであり、また内分泌(腺)システムである。 

 

5.この障害が慢性の状態に進行した場合には、予後は芳しくない。この状態は脳の変性を伴っており、元に戻すのは難しい。早期の診断と処置が予後を大幅に改善させる。 

 

6.遺伝子な要素がしばしば統合失調症の進展に重大な役割を果たしている。遺伝子な要素は単純な実体ではなく、その影響は「生まれつきの」(他の要素に関係なくほぼ確実に現れる)ものから、単なる「傾向」(例えば、体質/緊張モデルで提案された遺伝的な脆弱性)であるものまで変化する。 

 

7.妊娠並びに出産の合併症は統合失調症の原因に重大な役割を果たしている。

 

8.脊椎の損傷と他の身体的な機能不全は、精神的な症状が現れる上で重要な原因要素である。 

 

9.緊張はしばしば統合失調症の症状が現れる上で重要な原因要素である。

 

10.人間の体は現実の精神的・情緒的次元との接点を持っている。この接点(中枢)は内分泌腺や神経システムの中にある。化学的な不均衡やこれらのシステムに対する損傷がこれら中枢を混乱させ、統合失調症に関連する精神的な症状を生み出している。 

 

11.統合失調症の処置には総体的な観点が必要である。それは典型的には精神的、情緒的そして肉体的取り扱いを含んだものである。治療法には、オステオパシーまたはカイロプラクティックの処置、マッサージ、電気治療、食事療法、コンパニオン治療(companionship)、環境治療(therapeutic milieu)、催眠暗示、運動、そして薬理法などがある。 

 

12.ケイシーの総体的な観点は精神的またカルマや精神占有といった霊的な構成概念を含んでいる。これらの超個人的な側面は全てのケースで言及された訳ではない。従って、これは統合失調症特有という訳ではなく、病理学は複雑なものであると捉えるのがもっとも適切であろう。 

 

 

統合失調症の処置

 

エドガー・ケイシーのリーディングの総体的な視点に沿って、以下に治療のモデルを示します。そこでは、身体、こころ、精神の次元が言及されています。

最も単純な可能な概念化として、この手引きは以下のように表現できます。

 

 

1.              忍耐、穏やかさ、利他的な奉仕といった「精神的な」質に重点を置いた治療の環境を整えなさい。一方で同時に成長と発展のための機会を提供しなさい。太陽の下での屋外の活動や新鮮な空気も重要である。コンパニオンセラピーは、時として治療環境を整え、維持するうえで必要である。 

 

2.              この障害の基本的な肉体次元のことに対処する身体(肉体)の医療介入を提供しなさい。(オステオパシー、カイロプラクティックあるいはマッサージといった)手を使った療法、(振動金属を含む)電気治療、食事療法、運動並びに適切な薬理学は、統合失調症の肉体的処置に決定的な役割を果たす。 

 

 

3.              患者の情緒的なプロセスを再構築し、軌道修正するために、暗示治療を用いなさい。「こころは建築家」という原理が適用されるように各種の認識と行動の技法が、自然主義的な催眠と相まって用いられる。

 

 

 

統合失調症の神秘的な側面

 

 

ジョセフ・キャンベルは、神秘主義者が喜んで泳ぐその同じ水の中で、統合失調症の患者が溺死していることに気付きました。エドガー・ケイシーは、リーディングの中で同じ意見を述べています。(例えば、281-24

 

ケイシー自身は、かなり深い水中で泳ぐ神秘主義者でした。彼の精神的なリーディングに表されている視点は、「永遠の哲学」と呼ばれる永い伝統の有る考えと一致しています。永遠の哲学の全ての見解と同様に、ケイシーの見解は発展的であり、また包括的です。

 

 

 

「早発性認知症」とか「統合失調症」という用語は、人がより大きな観点を持った比較的最近のものです。何世代にも亘って、全ての文化で人々は精神異常に気付いてきました。現代の見方と一線を画する特徴的なことに、精神病のいろいろな様式の解釈があります。

 

 

この独自性を理解するために、私たちは古代、現代を含めて、他の文化の世界観(更に宇宙観または宇宙論)を考慮に入れなければなりません。この違いの核心は、われわれ人間の起原、現実の特性や人生の意味といったことに関し、私たちが信じている事に内在しています。言い換えれば、何が現実を作っているかということです。

 

現代の(精神医学を含む)医学は、現実の物質的な観点に基づいており、そこから導き出されています。現実とは身体であり、少なくとも物理的な方法で測定できるものです。物質的な観点からは、現実は実体があるものです。 

 

私たちが誰かを正気かどうか判断する際に、これは軽視できない点です。事実、正気を判断するのに用いられる臨床的な評価手順では、現実の物質的な解釈に大きく重点を置いています。これまでに知られているように、物質的な現実から遊離しているということは、精神科の定義では精神病であるということです。

 

 

エドガー・ケイシーの統合失調症に関するリーディングでは、精神病の症状が現れている人は、物質的な現実から離れており、日常の生活を維持するのが難しいと認識しています。従って、ケイシーは統合失調症は病気であると考えました。一方で、そのような人はどんな正気の人よりも普遍的なものあるいは神の意識に近いとケイシーは気付いていました。

 

 

 

統合失調症の神秘的な側面を説明するために、ケイシーはしばしば他の文化や時代の(例えばヒンズー教やヨガのような)永遠の哲学から引用した専門用語に頼りました。こうして、彼の統合失調症に関するリーディングは、時としてクンダリーニ、カルマ、占有などといったことを引用しています。

 

 

この病気に対してケイシーが提案した数々の治療は神経システムの再生や協調に向けたものばかりではなく、苦しんでいる人が物質的な現実にもっと集中できるように助ける意図のものもありました。

このような人が自分の体により実質的に存在したり、物理的な世界に参加するのを援助するために単純な身体の活動に重きを置いていました。

 

 

エドガー・ケイシーの統合失調症に関する見解を記述した2冊の本が出版されています。「統合失調症の処置:心身一体的なアプローチ」はAPA(米国心理学会)の様式で書かれた学問的なものです。

 

「統合失調症に於けるケーススタディー」は、統合失調症のケースとしてケイシーの助けを求めた人々を記述した専門性の比較的少ないものです。2冊とも著者はデイビッド・マクミリンで、バージニア州バージニアビーチのA.R.E. 出版から入手できます。

原題:・Case Studies in Schizophrenia: Based on the Readings of Edgar Cayce

 ・Case Studies in Schizophrenia: Based on the Readings of Edgar Cayce

 

 

脚注:上記の情報は、自己診断や自己処置を目的としたものではありません。ケイシーの健康データベースの情報を利用するに当たり、資格をもった健康管理の専門家にご相談ください。

 

 

翻訳:岡田栄

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